外食産業市場動向(全店・既存店の年間売上前年比データ)を調べるには/日本の飲食業基礎データ

積極的な新規出店により売上拡大してきた大手外食チェーン。
近年は店舗数マイナスの年も。

外食チェーンの売上高(前年同月比)を調べるには?(外部リンク)

 社団法人 日本フードサービス協会 http://www.jfnet.or.jp 

■外食の業界団体である社団法人日本フードサービス協会(ジェフ)が、1994年より、同協会加盟企業の売上データ(全店売上高、店舗数、既存店売上高の前年同月比)を集計・公表している。
(なお、「既存店データ」は2008年をもって終了し、現在「全店データ」と「店舗数」のみが公表となっている。)
これは、全体値および業態別値について、月次および年間のデータが発表される。外食業界においては、食の安全・安心財団「外食産業市場規模」と並び、権威あるデータである。

ジェフは、こうしたデータを集計公開する唯一と言ってよい業界団体である(他に「大阪外食産業協会」があるが、ジェフのようなデータ公表はしていない)。
但し、ジェフといえど全ての大手企業が加盟しているわけではないため「すき家」、「スターバックスコーヒー」、「タリーズコーヒー」(※)、「スシロー」、「くら寿司」、「はま寿司」等のデータは織り込まれていない点には留意しておくべきである(この点を踏まえずに論じている記事等が、散見される)。
(※)2015年6月・執筆時点。タリーズコーヒージャパン(株)は2016年に加盟。

■さて、「全店売上」とは、あるチェーン(企業)の当月の全店舗の売上を、前年同月のそれと比較したものである。「店舗数」データも同様である。 これに対し「既存店売上」とは、当月において、前年同月と比較対象が可能な店舗のみ抽出し、それらのデータを前年同月と比較するものである。 「既存店」の定義については、委細はチェーンごとにまちまちである。それを「開店後13ヶ月」を経た店舗とするチェーンもあれば、「14ヵ月」の所、「15か月」の所等に分かれる。なお、月内に休業等で一定の営業日数がない店舗は当月の集計から除かれることが多いが、この扱いも企業によって異なり、東日本大震災時の既存店データを見る際は特に注意が必要である。

■前置きが長くなったが、ジェフのデータによれば、94年の調査開始以来、大きくいって「全店売上」と「店舗数」はプラス基調・「既存店売上」はマイナス基調である(但し上述のとおり既存店データは中止)。

94年の調査開始以来、「全店売上」がマイナスとなったのは2003年・09年・11年・14年の4ヶ年のみで、その他の年は全てプラス。「店舗数」も、マイナスは09年・10年の2ヶ年のみである。
一方「既存店」売上は、調査委開始以降ずっと前年を上回ったことはなく、外食の「下げ止まり・底打ち」といわれた06年・07年のみプラスとなり、08年に再びマイナスに転じた後、公表中止となった。

つまり、外食産業は「積極的な新規出店を続け売上拡大を図ってきた」という傾向が、ここからみてとれる。

近年のトピックスとしては、09年、10年に「店舗数マイナス」となったことである。
この時期、マクドナルドが「戦略的店舗閉鎖」を断行し、ロイヤルホスト、デニーズ、大庄など、多くの大手が不採算店閉鎖を進めた。 また、新規出店を抑制し既存店のブラッシュアップに注力した企業が目立った。

また、14年にふたたび「全店売上マイナス」となったのは、この年における日本マクドナルドホールディングスの大幅減収が少なからず影響した。

■なお、弊社では、大手23社(チェーン)の既存店売上・客数・客単価の前年比データを定期観測、サイトに掲載しています。

2015/06/29 2014年のデータ公表を踏まえ一部加筆しました。
written by フードビジネス総合研究所・山縣英起 <無断転載はご遠慮ください。>



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