
「飲食業の新規開業・廃業実態」を調べるには?(外部リンク)
総務省統計局 http://www.stat.go.jp/
日本政策金融公庫 http://www.jfc.go.jp/『新規開業に関するパネル調査』
■一般に、「飲食業で生き残るのは難しい」といった話をよく耳にする。 客観データはどうなっているだろうか。
まず、総務省「事業所・企業統計調査(平成18年)」をみてみる。(年度がやや古いが、本記事執筆時点ではこれが最新のデータである。)
「全産業」では、5年間で新規開業した事業所の割合は23.7%、同期間で「廃業」した事業所の割合は28.4%であった。
これを「飲食業」(一般飲食店)でみると、前者(開業率)は28.1%、後者(廃業率)は32.2%である。
居酒屋等の「酒場・ビヤホール」では同様に開業36.6%、廃業39.8%と、一層高くなっている。
(全体値とのポイント差は、「一般飲食店」で開業がプラス4.4PT・廃業が同3.8PT。「酒場・ビヤホール」で同11.4PT・12.9PTである。)
■次に、別のデータもみてみる。
主に個人事業や小規模企業に対し融資を行う政府系金融機関である日本政策金融公庫が、新規開業企業を追跡調査した結果(『新規開業に関するパネル調査』)をみてみる。
調査対象は2006年に開業した公庫の取引先で、これらのうち15.2%が、開業5年目の年末(2010年末)までに「廃業」しているという。
これを「業種別」にみてみると、12業種のうち廃業率の最も高かった業種は「飲食業、宿泊業」となっている。
その比率は23.2%で、全体値を8.0PTも上回っている。
■これらデータの「廃業」が、そのまま全てが「経営不振による廃業」ということではないにせよ、他の業種と比して「飲食業は新規開設が多いが、それ以上に廃業が多い」ということは、データからも明らかといってよさそうである。
2013/05/23
written by 有限会社フードビジネス総合研究所<無断転載はご遠慮ください。>
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