外食上場企業ランキング2010

独自に集計・分析!(2011年5月作成)

下記の前提条件のもとに収集整理しています。サンプリング条件の設定や集計方法の違いから、他の類似のランキングとは、必ずしも結果が同一とならないと思われます。


(注1) 対象は、2011年4月1日時点における上場企業で、当該企業における外食事業売上比率(連結決算がある企業は連結ベース)が51%以上を目安に抽出した。また、ここでの「外食」とは、給食事業・遊興飲食業および料理品小売業(中食)を除く「最狭義の外食」をその範囲とし、RC(レギュラーチェーン)方式またはFC(フランチャイズチェーン)方式による店舗展開(VC(ボランタリーチェーン)的手法は除外する)をはかる事業と定義する。また、これら前提をベースに企業の規模や事業内容等を総合的に勘案し、対象とするか否かを判断する場合もある(例えば、上場企業である株式会社ダスキンは外食事業比率が51%に満たないが、その売上規模は500億近くあり無視できないため、同社外食事業部門の売上高及び売上高伸び率のみ、対象とした)。

(注2) 2010年4月から2011年3月の決算を対象とした。


外食上場企業ランキング 2010 対象企業(五十音順)

アークランドサービス/アスラポート・ダイニング/アトム/あみやき亭/安楽亭/壱番屋/一六堂/うかい/梅の花/ヴィア・ホールディングス/王将フードサービス/大戸屋/家族亭/カッパ・クリエイト/カルラ/かんなん丸/関門海/木曽路/きちり/銀座ルノアール/くらコーポレーション/クリエイト・レストランツHD/グルメ杵屋/グローバルダイニング/元気寿司/幸楽苑/ココスジャパン/コロワイド/サイゼリヤ/さかい/サガミチェーン /サトレストランシステムズ/サンマルクHD/三光マーケティングフーズ/サンデーサン/JBイレブン/ジェイプロジェクト/(ジー・テイスト)/ジー・ネットワークス/ジョイフル/スターバックスコーヒージャパン/精養軒/ゼットン/ゼンショー/大庄/ダイナック/ダイヤモンドダイニング/ダスキン外食部門(※売上高のみ)/WDI/銚子丸/テンアライド/東京一番フーズ/東天紅/東和フードサービス/ドトール・日レスHD/トリドール/日本ケンタッキー・フライド・チキン/日本マクドナルドHD/ハイデイ日高/ハチバン/ハブ/B-Rサーティワンアイスクリーム/ひらまつ/フジオフードシステム/フジタコーポレーション/フライングガーデン/フレンドリー/ブロンコビリー/ペッパーフードサービス/ホリイフードサービス/松屋フーズ/マルシェ/丸千代山岡家/モスフードサービス/物語コーポレーション/吉野家HD/ ライフフーズ/リンガーハット/ロイヤルHD/ワイエスフード/ワイズテーブルコーポレーション/ワタミ (株)は省略


■外食上場企業 売上高ランキング 2010(ベスト10)

外食上場企業 売上高ランキング 2010

(注)単位:百万円。カッコ内の数字は、2009年度の順位。企業名右の(*)は、連結決算。

・グラフ、コメントの無断転載を禁じます。サイト利用条件


【コメント】


・2010年度の外食上場企業売上高ランキング1位は、ゼンショーがその地位に就いた(連結売上高:3,707億69百万円)。戦略的店舗閉鎖と直営店FC化を進めてきた日本マクドナルドホールディングス(以下HD)は、前期から10.6%の減収で3,237億99百万円・第2位となった。(但し、店舗売上高ではマクドナルドが5,427億10百万円と、依然ダントツの1位である。また、昨年のコラムにも記したとおり、「すき家がマックを抜いたわけではない」。念のため。)しかしいずれにしても、2000年以降のM&A、すき家の出店を積極展開してきたゼンショーが、2010年度において(非上場のすかいらーくを併せてみても)遂に外食企業売上ナンバーワンになったことに変わりはない。同社では次なるステージとして、これまで実験的展開に留まっていた海外展開の本格化を表明。持株会社体制への移行を発表した。


・3位から5位は変動がない。(3位:吉野家HD 1,713億14百万円、4位:ワタミ 1,238億77百万円、5位:ロイヤルHD 1,104億40百万円。)吉野家、ロイヤルは減収、ワタミは増収であるが、ワタミも外食セグメントでみれば減収(・減益)で、現在同社を牽引しているのは高齢者向け事業(介護、食事宅配)である。同社の今後の事業ポートフォリオとしては、これら高齢者向け事業に経営資源を有効配分するとし、国内外食事業はその比率を63%から53%に下げる見通しを立てている。


・スターバックスコーヒージャパンは、1,000億企業の仲間入りを果たした(1,015億76百万円)。新規出店分に加え既存店が回復をみせた。期中に岩田松雄CEOが突然辞職し、創業者の角田雄二氏が暫定復帰するという出来事があった。新社長には、岩田氏に続き、他業界出身の関根純氏(元伊勢丹執行役員)が就任した。


・コロワイドは2期連続の減収で、08年度の5位・09年度の6位から、10年度は1,010億83百万円で8位となった。9位のサイゼリヤは、創業以来38期連続での増収を果たし、10位から9位にランクアップした。 10位には、09年度11位であったカッパ・クリエイトがランクイン、ベスト10入りした。9位であった日本ケンタッキー・フライド・チキンが11位でベスト10圏外となった(10年度は888億23百万円。09年度は16ヶ月の変則決算であったため第4四半期ベースを採用、919億72百万円)。

■外食上場企業 売上高伸び率ランキング 2010(ベスト10)

外食上場企業 売上高伸び率ランキング 2011

(注)単位:% カッコ内の数字は、2009年度の順位。企業名右の(*)は、連結決算。

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【コメント】


・2010年度の外食上場企業・売上高伸び率ランキング(ベスト10)は、上のグラフの通りとなった。


・第1位は、焼肉「あみやき亭」・焼鳥「美濃路」を東海地方地盤に展開する、あみやき亭で、伸び率は27.2%であった。なお、昨年度は初の連結決算であったためランキング対象外となっていた(スエヒロレストランシステムを取得したため。)今年度は、スエヒロ取得による店舗増加(28店舗)が通年で寄与したほか、既存店も堅調であった(全社既存店ベースでプラス3.9%)。


・2位は、毎年、利益率ランキングで上位を占めてきた「かつや」のアークランドサービスが、売上高伸び率でもランクインした(同比率16.0%)。主力ブランド「かつや」中心に積極出店を継続、既存店も堅調であった(通期でプラス4.0%)。


・3位も圏外からのランクイン。英国風パブ業態・「ハブ」「82」の2ブランドを展開する、ハブが伸び率13.9%を記録した。同社は、昨今の居酒屋業態の停滞する中、唯一の成長企業と言ってよい状態。数多い居酒屋・パブ企業で、既存店売上がプラス基調にあるのは、今や同社だけである。店舗数も毎年着実に上積みされている。なお、2010年2月には、ロイヤルホールディングスの持分法適用関連会社となっている。


・4位は東海地方地盤にFR(ステーキ)「ブロンコビリー」を展開するブロンコビリー(13.2%)である。BSE後抑制されていた新規出店を近年再開、主に関東の郊外部に出店を進めている。5位はB-Rサーティワンアイスクリーム(12.7%)である。新世代店舗「Hip Hop」を導入、出店構成をかけ期末店舗数を60純増させた。期中に1,000店舗を達成している。


・6位から10位は、6位がサイゼリヤ(12.6%)、7位が松屋フーズ(12.5%)、8位がゼンショー(11.0%)、9位は、東海地方地盤で「焼肉きんぐ」等多業態展開の物語コーポレーション(10.3%)、10位が「ラーメン山岡家」の丸千代山岡家(10.1%)であった。昨年度8位の物語コーポレーション以外は、全9社がベスト10圏外からのランクインとなっている。


・ちなみに、昨年度(09年度)1位であったダイヤモンドダイニングは伸び率3.8%で24位、2位であったアトム(同年度はコロワイドグループの企業再編による大幅増収であった)はマイナス6.5%で60位となっている。3位であったトリドールは今年度から連結決算開始となったため前年比較がなく対象外となった。ちなみに単独ベースでみると伸び率24.5%である。こうした決算方式変更で対象外になった企業を含めてみても、2年続けて10位以内の伸びをみせているのは、トリドールと物語コーポレーションだけ、という状況である。

■外食上場企業 経常利益率ランキング 2010(ベスト10)

外食上場企業 経常利益率ランキング 2010

(注)単位:% カッコ内の数字は、2009年度の順位。企業名右の(*)は、連結決算。

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【コメント】


・2010年度の外食上場企業・経常利益率ランキング(ベスト10)は、上のグラフの通りとなった。ランクインしている10社の顔触れは、昨年度と殆ど変りわなく、これら企業は、経常利益率ランキングの「常連」である。但し、順位については変動があった。


・ベスト3の顔触れも変わりはないが、1位、2位、3位の全てが入れ替わった。1位は昨年度3位(14.3%)のB-Rサーティワンアイスクリームで15.7%、2位は15.6%でサンマルクHD(昨年度1位)、3位は14.5%の王将フードサービス(同2位)である。サーティワンは1.4ポイントの良化で、サンマルクHDと王将はそれぞれ1.0ポイント、1.7ポイント低下している。昨年度のランキングでもコメントしたが、かつてサンマルクHDや日本レストランシステム(07年、ドトールコーヒーとドトール・日レスHDを設立で上場廃止、HDが上場。)が記録していた「経常利益率20%台」は、近年は達成されていない。


・4位のサイゼリヤは圏外からのランクインということになるが、昨年度(09年8月期決算)はデリバティブ解約損など本業以外の営業外損失を多額に計上、創業以来初の経常赤字となっていたもので、もともと収益性は高い(08年度ランキングでは10位)。


・以下、5位が「かつや」のアークランドサービス(13.8%)、6位が「ステーキハウス・ブロンコビリー」のブロンコビリー(13.7%)、7位がひらまつ(13.6%)、8位がハイデイ日高(12.3%)、9位が壱番屋(10.1%)、10位があみやき亭(10.0%)と、上述の通りおなじみの顔触れがランクインした。


・なお、10年度経常利益率ランキングの対象80社の内、黒字企業は71社、赤字企業は9社であった。また、黒字企業の経常利益率平均は5.1%で、09年度より0.3ポイント良化した。(注)11年5月21日時点。震災の影響で決算発表が遅れている1社を除く、暫定値。

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■外食上場企業 経常利益額ランキング 2010(ベスト10)

外食上場企業 経常利益額ランキング 2010

(注)単位:百万円。カッコ内の数字は、2009年度の順位。企業名右の(*)は、連結決算。

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【コメント】


・2010年度の外食上場企業・経常利益額ランキング(ベスト10)は、上のグラフの通りとなった。連結売上高こそゼンショーにその座を譲ったものの、経常利益額については日本マクドナルドHDが271億61百万円と、2位のゼンショー(157億91百万円)と大差をつけ1位である。3位のサイゼリヤは、ベスト10圏外(84位)からのランクインということになるが、他欄でも記した通り、09年度(09年8月期)の同社はデリバティブ取引解約損等の営業外損失を多額に計上し経常赤字になっていたためである。なお、これら上位3社(マック、ゼンショー、サイゼリヤ)は、いずれもそれぞれの過去最高値を記録している。


・経常利益額ベスト10と、売上高ベスト10を対比してみると、売上高でベスト10にランクインし経常利益では圏外となっているのは、ロイヤルHD(経常利益額21億32百万円で23位)、コロワイド(同20億40百万円で24位)である。一方、売上高はベスト10圏外で経常利益額でランクインしたのは、サンマルクHD(売上高は407億91百万円で22位)、くらコーポレーション(同707億78百万円で13位)である。サンマルクHDは経常利益率2位、くらは同16位となっている。

■外食上場企業 ROA(総資産経常利益率)2010(ベスト10)

外食上場企業 ROA(総資産経常利益率)2010(ベスト10)

(注)単位:% カッコ内の数字は、2009年度の順位。企業名右の(*)は、連結決算。

・グラフ、コメントの無断転載を禁じます。サイト利用条件


【コメント】


・経営の総合的な指標のひとつである総資産経常利益率(ROA)は、経常利益額を総資産額で除して求められ、それはすなわち資産回転率(売上高を総資産で除したもの)と売上高経常利益率に分解される。つまりROAを上げるためには、資産回転率を上げるか、売上高経常利益率を高めるかということになる。よって概ね、売上高経常利益率が高い企業は、ROAも高いことが多い。なお、店舗ベースの投資収益性をみる場合には、同じ概念で、ROIが用いられる。さて、2010年度・外食上場企業のROAベスト10は上のグラフの通りとなった。


・1位は昨年度と同様に「かつや」のアークランドサービスで、これで3年度連続でナンバーワンとなっている。なおかつ、年々数値が高まっており、10年度は前年度から3.7ポイント上昇の25.9%という高数値である。なお同社は、売上高経常利益率では5位となっており、同比率1~4位の企業よりも資産回転率が高いということである。


・2位は、経常利益率1位となったB-Rサーティワンアイスクリームで22.7%、3位は、くらコーポレーション、クリエイト・レストランツ・ホールディングス、ブロンコビリーが19.8%の同率でランクインした。6位のサイゼリヤ(19.7%)は、ランキング圏外からという扱いとなるが、経常利益率の欄でコメントした通り、09年度が特殊要因による経常赤字となっていたためである。

■外食上場企業 自己資本比率ランキング 2010(ベスト10)

外食上場企業 自己資本比率ランキング 2010(ベスト10)

(注)単位:% カッコ内の数字は、2009年度の順位。企業名右の(*)は、連結決算。

・グラフ、コメントの無断転載を禁じます。サイト利用条件


【コメント】


・今年度から、経常利益額ランキングとともに、「自己資本比率ランキング」も調査実施・掲載することとした。2010年度の外食上場企業・自己資本比率ランキング(ベスト10)は、上のグラフの通りとなった。1位は、埼玉地盤に「庄や」や「日本海庄や」等、大庄のFC加盟店を中心に展開する、かんなん丸で、10年6月期の自己資本比率は86.7%である。同社は09年度も1位で、その値は88.9%であり、10年度は長期借入金が増加するなどし、自己資本比率が2.2ポイント低下した。しかしいずれにしても、大変高い自己資本比率となっている。


・以下、ドトール・日レスHDが79.6%で2位(09年度は79.8%で4位)、3位はサンマルクHDとブロンコビリー(ともに78.9%)である。その他、あみやき亭、銀座ルノアール、木曽路、日本マクドナルドHD、モスフードサービス、東天紅がベスト10にランクインしている。銀座ルノアールは、09年度は84.8%と2位であったが、短期借入金の増加などにより負債が増加し、自己資本比率は76.8%に下がり6位となっている。


・売上高2位の日本マクドナルドHDは自己資本比率も高く76.1%で8位となっている一方、ゼンショーは自己資本比率は低く、15.6%で75位となっている。


・なお、対象企業全社の自己資本比率平均値は、10年度は46.9%であった。これは、09年度の47.4%から0.5ポイント低下している。